雨の日曜日、誰も来なかった直売所と、暇がくれた才能の話。
直売所を開けた。
じゃがいも並べて、 珈琲豆並べて、 「今日は誰か来るかな〜」と、 店主らしい顔まで準備していた。
しかし。
誰も来なかった。。。
雨の日曜日。
聞こえるのは、 冷蔵庫の「ブーーーン…」という低音と、 時々、屋根を叩く雨の音だけ。
完全に自然界のASMR。
途中から私は、 「もしかして今日、人類みんな寝てる?」 と思い始めた。
でもSNSを見たら、 みんな普通にパンケーキ食べてた。
なぜや。
しかし、 こういう“誰も来ない日”、 実は初めてではない。
東京で店をやっていた頃も、 お客様ゼロの日なんて、 全然あった。
「本日は静寂を提供しております」 みたいな日。
だけど不思議なもので、 暇すぎる時間って、 人を変な方向へ進化させる。
私はその時間のお陰で、 ウクレレが弾けるようになった。
そして、 ついには、
『ニャンとか成る音頭♪』
の作詞作曲までしてしまった。
何やその才能の開花。
普通、 暇なカフェ店主は、 ラテアート極めたりするんちゃうの?
なぜ私は、 “ニャンとか成る”方向へ行ったのか。
人生とは分からない。
でも、 今になって思う。
暇って、 本当はめちゃくちゃ貴重な時間なんよな。
現代人、 忙しすぎて、 “自分から勝手に湧いてくるもの” を感じる暇がない。
暇になると最初は不安になる。
「このままで大丈夫なん?」 「売上どうするん?」 「家賃…」 「生活…」 「白目…」
と、脳内会議が始まる。
でも、 ある地点を超えると、 急に人は変なものを生み出し始める。
歌とか。 文章とか。 変な哲学とか。
だから私は、 “暇”に何度も救われてきた。
だけど。
売上は欲しい。めちゃくちゃ欲しい。
そこは綺麗事じゃない。
できれば、 ニャンとか成る音頭♪が自然発生するくらい暇でありながら、 ちゃんと売上も欲しい。
この矛盾。
「暇は大切」 「でも売上は必要」
この両方を抱えながら生きる技術を、 私は店をやりながら身につけてきた気がする。
暇だからダメ、 忙しいから偉い、 でもない。
売れてるから幸せ、 売れてないから不幸、 でもない。
畳でゴロンとしながら、 「あ〜気持ちええ…」 と思える感覚も、 実はかなり大事。
そして、 そんな時間から、 次のアイデアが生まれたりする。
東京での暇な日々が、 ウクレレと音頭を生み出したように。
だから今日も、 雨音を聞きながら思う。
人生、 たぶん、 ニャンとか成る。
知らんけど。



