優しい人たちと生きていく。

綾町に移住してすぐ、
私は「ひょっとこ会」に入った。

月に1回、ひょっとこ踊りの練習がある。

最初は、
「地域に馴染めたら良いなぁ〜」
くらいの軽い気持ちだったのだけれど、
今思うと、あの時入って本当に良かったと思う。

当時の私は、
農業研修の日々にかなり心が削られていた。

慣れない土地、
慣れない仕事、
思うようにいかない毎日。

「向いてないんかもしれん」
と落ち込む日も沢山あった。

でも、
月に1回ひょっとこ会に行くと、
先輩方が明るく迎えてくれる。

よく笑って、よく喋って、
なんかもう、そこだけ空気が違うのだ。

その時間に、
私はどれだけ助けられていたんだろうと思う。

今年の前半は、父の介護と死去が重なり、
練習にも行けなかった。

父の葬儀、遺品整理、色んな手続き。

気づけば、心も身体もクタクタになっていた。

ようやく少し落ち着いて、
綾町に戻り、またひょっとこ会の練習へ行った。

すると皆さん、本当に自然に、優しい言葉をかけてくれた。

気を遣わせないように、でもちゃんと心を寄せてくれる。

その距離感が、なんとも温かかった。

そして今日、復帰してから2回目の練習日。

ひょっとこ会の皆さんから、御香典を頂いた。

父と面識もないのに。

その気持ちが、本当に嬉しくて、胸がいっぱいになった。

人の優しさって、こういう事なんだなぁと思った。

損得じゃなく、肩書きでもなく、ただ「大丈夫?」って自然に寄り添えること。

それができる人たちと居ると、人はちゃんと元気になれる。

私は昔、
「頑張って馴染まなきゃ」
「ちゃんとしなきゃ」
と思って、無理して関係を繋ごうとしていた時期がある。

でも最近は、心から思う。

無理して誰かに合わせるより、
自然体の自分で居られる場所を大切にした方がいい。

ちゃんと笑えて、
ちゃんと安心できて、
自分を雑に扱われない場所。

そこに居ると、人は少しずつ元気を取り戻していく。

人生って、どこで生きるかより、
“誰と生きるか”の方が大事なのかもしれない。

優しい人たちと生きていく。

きっと、それが一番、幸せな生き方なんだと思う。